12月上旬くらいの話。
子宮がん検診の結果に安堵したのも束の間、私には新たなる試練が待ち構えていた。
いつものように幼稚園に子供を送迎するのだが、なにやら右足裏側、指の付け根の下(手の平で例えるとよく鉄棒でマメができるところ)あたりが痛い。
痛いと言っても、まあ歩けないわけでもない。少し前に、出先で歩きすぎたかな?と、あまり気にせず過ごしていた。
しかし、翌日目を覚ますと、痛みが強くなっている。別に歩いたり刺激を与えたわけではなく、布団で目覚めたこの状態でズキズキ痛む。なんだこれは?
夜になると、右足裏は更に痛みが強まり、その痛みが気になって眠れない状態になっていた。
痛み始めて3日目。
洒落にならないほど痛い。でも、子供を送迎しなくては。お弁当も作らなければならない。台所まで歩くのが、まるで針の上でも歩いているかのように、一歩一歩が足に響いて突き刺さる。
歩く際の重心が右足に掛かるのも痛いが、それよりも圧迫された箇所が次の一歩を踏み出すために解放される瞬間に激痛が走り、あまりに耐え難いので、ならば足を浮かすまいと床に右足を押し付けたまま引きずって台所へ向かった。
少しの段差のヘリなども激痛でまともに跨げず、少し足を浮かすたびに悶絶した。
果たして患部はどれだけ悲惨な状態になっているのだろうと見てみると、少しの赤みと目を凝らさねば分からぬほどの微細な腫れ。いっそのこと盛大に赤く大きく腫れ上がっていてくれれば、この痛みが傍目にも厳しいものと分かるのに、これじゃ私があまりに大げさに痛がっているようではないか。こんなに痛いのに!
その日は夫に子供を送迎してもらい、夫はそのまま仕事へ。私は病院に行きたいがまともに歩けない。
一体この痛みはなんだろうと、足裏をまさぐる。どうも中指の下のあたりがピンポイントで痛く、似た症状にモートン病というのがあった。もしかしたらこれかも?と思い、モートン病の痛みの軽減の仕方やストレッチ法があったので、激痛でその日の夜も寝ることすらできずにいた私は、藁にもすがる思いで検索した方法に倣い、足をお湯で温め足指を曲げたり動かしたりした。全く効果はなかった。…むしろ、翌日に悪化した。
4日目。
とうとう足裏に留まらず、足の表側からも赤い腫れが見てとれ、夫の付き添いで町の整形外科を訪れた。
妊娠中と伝え、分厚い防護服を纏ってレントゲンを撮った。骨には異常はなかった。
原因不明だった。モートン病ではないのか?と尋ねたところ、医師は、
「モートン病ではないね。だって、痺れはないでしょう?」
と一蹴。なんてこった。私は前日、どうやら余計なことをしてしまっていたようだ。正に素人判断。モートン病ではないのにその対処法をやったって、効く訳がない。むしろ悪化させている。バカの極みである。
でも、じゃあこれって何なのよ。こんなに痛いのに、医者も分からないって!
結局何も分からぬまま、応急処置として湿布を貼ってもらい、数日分の湿布を処方されて終了。
もし痛みが悪化するようなら、市民病院に紹介状を出すと言われ、それならそっちのほうが産婦人科との絡みもあるし都合がいいと思い、紹介状を貰った。
そんな訳で、次の日に市民病院へ。
長くなるのでその②へ続く。