前回の話はこちらから↓
初手を完全に誤りました。
私は最初息子に、ランドセルの希望を尋ねました。息子は「青、あとは何でもいい」と答え、すっかりそれでラン活終了と思っていましたが、その考えは甘い。甘かった。マックスコーヒーに砂糖マシマシにするくらいの甘さ。
一体全体どういう事かと言うと、「青けりゃ何でもいいんだな」と私は考え、カタログ請求しまくって青いランドセルを探しました。
で、総合的に判断して、候補を二つまで絞って息子に選んでもらおうとしたわけです。
そしたら、
「なんか違う。この青は嫌い」
と一蹴。
なんでえええ良い色じゃないのよおおおお!!
息子は確かに「青、あとは何でもいい」と言いました。
私は「あとは何でもいい」を「青系なら何でもいい」と勘違いしていたのです。
「(僕の好きな)青(なら)、あと(の見た目)は何でもいい」
これが息子の正確な主張でした。
候補を絞るまでも結構大変だったので、また一からやり直しかとゲンナリしたものの、気に入らないランドセルを押し付けるわけにもいかず。
じゃあどんな青なの?とタブレットで画像を見せて希望に近い色を探してもらいました。
そしたら中々パキっとした青を選ぶんですよね。ザ・青!みたいな青の中の青。ランドセルの色見本で多くが「マリンブルー」と称する青なんですが、画面で表示される青と実物の青って、どうしても差異があります。暗いんですよ、実物は。
革見本があるものは、実際見てもらいました。その時手元にあるサンプルで一番青いのは鞄工房山本のマリンブルーだったんですが、やはりこれも違うと。
インスタなどで見ていると、羽倉のコバルトブルーが一番近いかなと思いました。しかしこれは生地見本がない…。
ただ貸し出しサービスもやっているし、本気で欲しいなら一度取り寄せようかと思っていた矢先に、
「黒がいい」
と息子。急になんで???
「のび太が黒いランドセルだから」
コロナで引きこもり気味の時にドラえもん見まくっていたせいか、
あれ?やっぱランドセルって黒なんじゃね?
と気づき、突然のカラー変更。いやまぁあれは時代背景がそもそも違うんだけどね…。
「黒?青じゃなくていいの?あんなに青って言ってたのに」
「いい。黒がかっこいい」
なんだよ~~
黒かよぉ~~~
いや、いいんだけどさぁ~~~
黒で良ければ候補はすごく広がるんだよ。今まで色の都合で候補から外したところのも、再度拾い直しだよ~~~。
しかも良いのか悪いのか、青ランドセル情報を漁りまくっていた時に余計な知識が増えすぎて、ランドセルの容量とかマチ幅とか、背あての形状とか、背カンの種類とか、反射材補強材、果てには正面ポケットのファスナーの形状にまで考えが及んで、もう訳が分からない。
子供のために重量は減らしたいけど、強度に不安があったり肩ベルトのクッションが薄いのは嫌だ。マチは広いほうがいいけど、実際どれくらいの広さがあれば不便がないのか、ピンとこない。
人工皮革なのに牛革と値段が大差ない。なら牛革?でも重いし、扱いが雑な男子に革って必要か?強度なら人工皮革でも十分にあるし、革じゃなくてもいい?いやいや見た目質感は革のがやっぱりいいしなぁ。でも持つのは子供だしな。
…などなど、考えがまとまらず時間だけが過ぎる。
そもそも6年間ランドセルじゃなければこんなに悩まないのに。私の頃は4年生くらいになったらみんなランドセルは卒業していた。6年通しでランドセル使う学校があるなんて、今になって初めて知ったよ。6年って半端に長いんだよ。子供の好みも変わっちゃうしさぁ。
改めてランドセル選びの話に戻りますが、青縛りも好みの狭さで探すの大変だったんですけども、黒というのはどこのメーカーもほぼ間違いなく取り扱っているので、こうなってくると全てのランドセルメーカーが比較対象になって、親の私が悩み出すんですね。
「背あての形は空気が流れやすいYのような形状がベストなんだけど!」「前ポケットはラウンド型のほうが絶対使いやすいよね!!」「小マチは蛇腹で拡張できるタイプがいいと思ってたんだけど子供って実際広げる使い方なんてするのかな?」
熱弁をふるう私に夫は白い目を向けるわけですね。
「勉強道具運ぶだけなんだから…何をそんなに…」
確かに私も薄々感じ始めていました。大量のカタログ…ネットでの膨大な検索時間…。単なる学生鞄なのに…。
いつからか私の頭の中には、堂本光一氏の「だって布だぜ!?(高いTシャツに対して言った名言)」がこだまするようになりました。いや布じゃないけど…これとは主旨も違うけど、自分でも検索魔になっているのを分かっていたので、心のどこかでビシっと「たかが鞄」と言ってもらいたい気持ちがあったのかもしれない。
下手の考え休むに似たり。色々検討するのは正しいことだけど、むやみに悩むのは時間の無駄。しかも、気になったもの全部を試せるわけではないのだから、ある程度優先順位を決めて、事務的に候補を絞っていくしかない。
その結果、村瀨鞄工が最終候補に残ったのでした。
ラン活完結編(そんな大仰なもんじゃないが)に続く。