先月9月30日に、作曲家のすぎやまこういちさんがお亡くなりになりました。
国民的ゲームと評して過言ではない「ドラゴンクエスト」シリーズの作曲家です。
子供の頃から慣れ親しんだその音楽。ゲームはもちろんカセットテープやCDでも何度も繰り返し聞きまくったものです。
子供が生まれる前まで、ゲームからは離れても、たまに音楽は聴くくらい好きでした。
疲れている時に聴くと、ゲームの世界観と、それを楽しむ幼い時分に戻る、不思議な浮遊感に包まれて、とても癒されるのです。
特にⅢ~Vの曲が大好きで、オーケストラを初めて聴いた時は、その迫力に驚いたものです。ファミコンのゲーム音源はどうしても平坦な音になってしまうので、それはそれで味わい深いのですが、オーケストラは音に躍動感と生命力を感じます。繊細さや力強さなどの表現が桁違いです。
更に、ゲームでは聴けない導入部分のイントロも聴けて、それがまたいいのです!
Ⅲのフィールド曲は、ゲーム音源の部分のみでも十分ドラマチックですが、イントロが加わるともはや荘厳という言葉しか思いつかないほどです。
一番有名なオープニング音楽も、シリーズによってイントロが変わっていきますが、Ⅳからの変化は天空シリーズにふさわしい雄大さに胸が高鳴ります。
Ⅳのフィールド曲は、オムニバス形式のストーリーでそれぞれ章ごとにフィールド曲を変えていますが、勇者が故郷を出て一人旅する時に流れる「勇者の故郷」という曲がすごく物悲しくて、でも美しくて、とても印象に残っていました。
他のキャラクターの曲も人物、ストーリーにマッチしていて、作曲家としての才能をこれでもかと感じさせます。
Vは「哀愁物語」という曲がなぜか聴いてるだけで涙が出てきます。物語の要所要所で流れるのですが、悲しかったり嬉しかったり涙を誘うシーンで使われているせいかもしれません。石化したビアンカを救う場面や、主人公の母マーサからのメッセージを受け取るシーンを思い出します。
戦闘音楽はどれも素晴らしくて、どれが一番というのはないのですが、全滅が妙にチラつく音楽はⅢですねwだからかⅢは妙にテンションが上がります。僧侶1人だけ生き残って、えっどうしようと思いながら曲がループするのを呆然を聞き続けるような。
やまたのおろちお前だよ。
Ⅱの仲間が3人揃ったときにフィールド曲が変わるのも子供心にすごく響いて、それまでの二人旅のどこか乾燥した、辛さを乗り越えて進む雰囲気から、一気にたくましく前進するかのような前向きさを感じる曲になり、これから本当の旅が始まるんだと思いました。
RPGがあんなにもシンプルな時代に、それでも心に残る思い出の数々を多くの人に与えることができたのは、ひとえに楽曲の素晴らしさあってのことだと思います。
まだまだ語りつくせませんが、すぎやまこういちさんには感謝の気持ちしかありません。
たくさんの名曲を生み出してくれてありがとうございます。
ご冥福をお祈りいたします。